〜プロローグ〜


初めまして。
LILYボーカルギター福島拓也と申します。
このように、アルバムを通してセルフライナーノーツみたいなものを書くのは初めての経験です。
歌詞を書くこと、それを世に出すということは、私にとって自分が存在することを確認する作業であると同時に、パンツの中まで覗かれるような羞恥心との戦いでもあります。
だから、セルフライナーノーツというのは私にとって、パンツの色や形を事細かに説明して回るようなことなのです。
ですが、”腹を割る”という言葉があるように、相手と真っ当な関係を望んだら、まずはこちらから、赤裸々に語る必要があると思うのです。
望まれているか望まれていないのか、そんなことを考え出したら私の言葉はそれこそ薄く、つまらないものになってしまうと思いますので、あなたのことを想いやりつつも、遠慮のない言葉で綴っていきたいなと思っております。
それはそうと、私のような若輩者の言葉が、世の中の偉大な諸先輩方のライナーノーツと同様書いたのならば、きっと面白みが無く、ただただ想いを綴ったものであるならば、きっとそれは”どこかで読んだことのあるようなもの”になってしまうと思います。なので、私のライナーノーツは、ストーリーであると、最初に断っておきたいと思います。
私は詩を書くとき、必ず”設定”します。書きなぐったものだと、ただただ怒りや迷いに任せた混沌としたものになってしまいますので、必ず”設定”をします。
「◯歳男性、△△な歌」であるとか、「 □歳女性(彼氏がいるけど、私はこの人が好き)に向けた、××な歌」といった調子で、”歌を向ける相手”を想像するのです。
勿論実体験が多く、イメージする人物も実在する場合が多いですが、”もしもこういう人がいたら、その人の目の前で歌いたい”と思いながら作る詩もあります。
こうやって整理して書いてみると、誰かの日常に、「Gene」の歌たちが馴染む瞬間をどうしても想像してしまうというか、期待をしてしまいます。だから、言葉が世に出る機会を与えて頂いたことに感謝しつつ、嘘偽りのない言葉を綴っていくことをお約束いたします。
私がどう思って言葉を選んだのか、物語にしてあなたに説明したくなりました。
ここから8週に渡り続いていく8曲のライナーノーツストーリー。
はじまりはじまり。